韓流−マスコミへの疑心−

今年は各報道機関が一つのブームに熱中していた。「韓流」つまり韓国ブームである。
韓国のドラマ「冬のソナタ」から火が点き、主演俳優のぺ・ヨンジュンには熱狂的なファンができ、「ヨン様」というあだ名もつけられた。来日した際には成田空港に5000人ものファンが押しかけ、ホテルからの移動のさいにファンが怪我をする事態まで発生した。また同じく冬のソナタで共演したチェ・ジウや、韓国四天王と呼ばれるイ・ビョンホンチャン・ドンゴンウォンビンなどの韓国スターが次々と来日。CMなどに引っ張りだこである。また冬ソナを機に国内でその他の韓国ドラマが次々と放送され、日本中に韓国ブームが吹き荒れた。
確かに韓国ブームは今起こっているだろう。だが自分は全くこのことについて興味が無い。というかうんざりさえしている。この1年間、ほぼ毎日テレビを見ていたと思うが「ヨン様」や「冬ソナ」などといった言葉を耳にしない日は無かった。マスコミは毎日の日課であるかのように韓国の俳優、ドラマなどに関する話題や情報を流している。ぺ・ヨンジュンの来日の際にはトップニュースとして報道する番組も多々あった。凶悪事件が起きているにも関わらず、韓国スターの来日を真っ先に報道する。これはどういうことか。
あきらかにマスコミの韓流ブーム報道は度を越えて過熱しすぎている。日本中が熱狂と言ってはいるが、実際には中高年層のおばさん達(失礼だとは思いますが)が熱を上げているだけであって日本国民のほとんどがこのことを寒い目で見ているだけなのである。
マスコミにここまで腹が立ち、あきれてしまったのは今回で二度目である。最初にマスコミに対して怒りが炸裂したにはあの日韓ワールドカップの時であった。
あのときのマスコミは記憶している中で最悪だった。ポルトガル、イタリア、スペインと韓国は相手国をプレーで傷つけ、応援でも傷つけた。そして韓国はBEST4にまで進出した。この韓国の「黒い躍進」に対してマスコミは目もくれず、ただ韓国頑張れと韓国を応援するばかりであった。
マスコミ、もといマスメディアとは真実を報道すべきものであると思う。このときの報道内容のあまりの偏向ぶりに私はあきれかえった。
この前、日本テレビの番組「スーパーテレビ」を偶然見た。正直見たくはなかったが、その時間帯は見たいものがなかったので仕方なく見ていた。番組では11月に来日したぺ・ヨンジュンに来日中密着していくという内容であった。この番組中でぺ・ヨンジュンはファンのことをしきりに「家族」と呼んでいた。家族はとても大切だとも言っていた。ファンが怪我をしたときも心が痛んだと言っていた。このようなインタビューを聞いているうちに少しだがぺ・ヨンジュンという人間を理解した気がした。彼が家族=ファンを大切にする気持ちは本物なのだろうということ。ファンが怪我をした事件の直前、ホテルを出る時に「家族に挨拶無しでは行けない」と言っていた。マスコミやカメラ用に姿を見せることも考えていたのだろうが、ファンの前に姿を見せて家族と少しでも触れ合いたかったのだろうとも思う。彼はおそらく優しい人間なのだ。だからファンのことも家族のように心配するのだと思う。
スターにファンが出来るのはその人のスター性も当然だが、なによりファンに対しての優しさがあるからであり、ファンに対して笑顔を見せないなんて者はスター足り得ないはずである(そういう人もいるけど・・)。彼らにファンができるのは彼らがファンに優しく接しているからであると自分は思う。
問題なのはこれによった彼らを完全無欠の人間であるかのように「神聖化」してしまうマスコミなのであると思う。これらマスコミによる神聖化がなくなることが「真の韓流ブーム」到来への第一歩なのではないだろうか。